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先ずジョホールのUTMキャンパスを紹介し、次いでマレイシアの海事産業の発展にUTMが積極的に寄与していることを説明した。UTMはマレイシア国内で海事技術の研究開発を行っている唯一の大学である。

博士は船舶模型実験室の設備について説明した。これは教育、研究開発作業、商業目的の作業いずれにも利用できる。その一つは曳航水槽で、曳航装置と造波装置を完備している。また実験室が提供しているサービスの一部についても説明し、抵抗と抗力の測定、水深試験、流体フロー、凌波性、機器の較正などを受け付けていることを述べた。

最後に、博士は各国代表が実験室を見学するよう招待した。

 

質疑

インドネシア代表:研究開発について質問したい。これまでの実績にはどのようなものがあるか。

当方の研究開発活動は主として小型艇の設計、開発、グレードアップ等をテーマとしている。業績はどうかというお訊ねだが、どんな賞を取ったかなどという基準で、計量化することはむずかしい。しかし当方が受けた研究助成金の額が実績の一応の目安になるかもしれない。金額が増えれば政府からの信頼がそれだけ厚くなったことを示す。あるいは実績を図る何らかの数量的尺度がなければいけないのかもしれない。

フィリピン代表:石油やガス掘削のためのオフショア関連の技術は手掛けているのか。

オフショア技術については、いくつかの科目が学士課程、修士課程で選択可能である。しかしオフショア技術とオフショア構造物については一連の研究開発チームが取り組んでいる。

日本代表:推進性能についてはどの様な内容の試験を実施しているのか。

現在のところ、キャビテーション・トンネルがない。しかしそれでも推進試験は可能だ。

議長コメント:AMIMが政府に書簡を送って、UTMのキャビテーション・トンネル設置要請を支援してはどうか。またアジア太平洋全域の各国が、UTMの設備とサービスを利用されるようお勧めしたい。

インドネシア代表:一言コメントしたい。インドネシアではこの種の施設は二つの賞の管轄下にある。いずれも所在地はスラバヤ市だ。それでもインドネシアとUTMが協力すれば、特に熱帯水域向けの船舶の研究開発では、成果が見込めるのではないだろうか。

 

MALAYSIA SHlPYARD ENGINEERING (MSE)による特別ペーパー

「船舶昇降移動装置」と題したこのペーパーは、Malaysia Shipyard Engineeringの本社企画部長Prabhakaran Menon氏により発表された。

このプレゼンテーションの中でMenon氏は、MSEの新造船・修繕船事業における過去の経験を語った。

 

 

 

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