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年月の経過と共にIMOの規制は、特に安全性についてきびしくなっている。この問題を克服する一つの方法は、関係者にサブスタンダード船を使用しないように要請することだ。我々は数年前からQuality Shippingというスローガンの下、そういう趣旨の運動を展開している。EQUASISは個々の船がサブスタンダード船がどうかが誰にでも分かる様データを公開するシステムである。昨年のエリカ号の事故は、明らかにこの運動の前進を加速させる効果があったようだ。

EQUASISは単なるデータベースシステムなので、このEQUASISというシステムが稼動したからと言って、新しい船を取得する際に、何か特別な証明を取らなければいけないということではない。EQUASISにより収集した情報は、船舶の安全問題を監督する政府機関から提供される。

 

韓国

韓国造船工業協会のChung Suk Joo氏からカントリー・ペーパーが発表された。このペーパーは「韓国造船産業」と題されている。

韓国代表団のS.J. Chung氏は韓国造船業の現状について報告した。韓国造船工業協会(KSA)は造船企業9社により構成され、同国の建造量の95%以上を会員企業だけで占めている。1999年末現在、10,000DWT未満の船舶を建造できる約59の中小造船所が韓国造船工業協同組合に加盟している。

報告者によれば、1999年の新規受注量は12,719,000GTで、98年の同期比27.2%の伸びを示している。総受注量のうち、タンカーが約5,607,000GT(39.8%)、コンテナ船が3,597,000GT(28.3%)、撒積船が3,162,000GT(24.9%)を占めた。

また1999年の竣工量は9,481,000GTで98年の同期比30.2%の増加となった。総竣工量のうち、タンカーが5,815,000GT(61.3%)、コンテナ船が661,000GT(7%)、撒積船が1,377,000GT(14.5%)、その他の船種が1,628,000GT(17.2%)を占めている。この成果の要因として、Chung氏は生産性の向上と十分な工事量確保を挙げた。

1999年末現在、手持工事量は24,191,000GTを記録し、98年同日比14.3%増大した。これは2年分以上の工事量に相当する。KSA会員企業の総従業員数は98年の46,800名から約1,700名減少した。最後にChung氏は、舶用工業の現在の総従業員数について、約57,000名と述べた。

 

質疑

タイ代表:協力工について、質的向上のためにどんな研修を行っているか。

韓国の協力工について、私は質が高いと思う。しかし前にも述べたように、私はKSAの人間なので、下請業界の状況について厳密には知らない。

議長コメント:シンガポール代表から、韓国の造船業について何か質問があるのではないかと思うが。

 

 

 

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