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工作と設計については何も問題がないはずだと思う。ただ外航船として使用する場合には、世界中で通用するように、新たに安全性や海洋環境保護に関する検査を受けなければならないこともあり得る。場合によっては、多少の改造も必要になるかもしれない。一般論としては、改造には大した問題はないはずだ。もしそういう風に船舶を輸入しようというお考えなら、設計、能力などについて必要な情報を取得され、事前に計画を練られるようお勧めする。

インドネシア代表:テクノスーパーライナー(TSL)についてお訊ねしたい。TSLについては建造、運航、保守管理の費用など、解決すべき問題があると、ここに書いてあるが、日本政府はTSL運航会社を設立する意向といわれる。つまり、その会社に何らかの政府助成をするということになるのか。

ご質問にお答えするが、Wasonoさんは日本のことを大変よくご存知で、正確にご質問にお答えできるかどうか心配だ。

TSLは既に10年以上も前から運航されている。これは非常に大型の、計画速力が50ノットの貨物船である。技術的には、この船はすでにその速力で航行できることが実証されている。現在はこのコンセプトを商業運航に適用しようという段階だ。リスクが非常に高いこと、そして第1船であることから価格が非常に高いことから、民間が自主的にこういう船を保有して、運航するという段階には達していない。今のところ、この船が商業ベースで利用されるようになれば、海運の効率を大幅に変革できるものと期待している。どちらかといえば国内での利用を考えている。そのために、この種の船舶の所有に伴うリスクを削減する方法を検討している。TSLを保有する会社を設立して、この会社に投資を募り、船舶保有会社が運航会社に船を用船に出して、商業運航させるという方式を考え出したところだ。これを実行に移すのに2年掛かると見ている。

Wasonoさんのご質問に直接お答えすると、現在、政府、業界、その他の関係筋がこの方向で準備を進めていて、船舶保有会社を設立しようとしているところだ。なお、研究開発によりこの船の技術的側面についても、さらに検討を進めようという声も上がっている。この方向での進展については、支援することを考えている。

サモア代表:先ほどお話のあったIMOの文書について、3ページのEQUASISのことだが、このEQUASISについて、さらにご説明頂けないか。新造船について証明書を発行するのかどうかという点についても。

世界の海洋環境の保護について、取り上げられている主要な問題は、サブスタンダード船の増加である。明確にいえば、外航船はIMOが設定する一定の国際基準に合致することを要求される。しかしサブスタンダード船はそういう基準を満たしていない、あるいは従おうとしない。

 

 

 

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