(4) 左旋回を約1分間続けた後、舵を中央に戻しこの状態のまま約2乃至4分間続航後30秒間の方位角の変化を読む。
(5) (4)の読取りが終ったら舵を右2°とし同様な方位角の変化を読み船が右旋回に入るまで続ける。
以上の結果を図示する。Fig2の場合は、舵角が+4°と+2°の中間で左旋回から右旋回に移転し、舵角が−4°−2°の中間で右旋回から左旋回に移転している。この移転の起る舵角の幅を不安定ループの幅と呼ぶ。図の場合は不安定ループの幅は6°である。
3. 注記
コンパスの自差は±3°以下が望ましい。10°をこえる自差があるときは、運動整定後、更に360°回転時間を測り、角速度を求めておくこと。時間はできるだけストップウオッチを使用すること。
(e) Z操舵試験(舵角10°)
1. 概要
本試験は舵に対する船の追従の速さを見るものである。
2. 要領及び計測事項
舵を右10°にとった後、船が右10°の回頭角となると急に舵を左10°とし、船が左10°の回頭角となれば、又舵を右10°とし、舵の動きと船の動きの時間的推移を見ようとするものである。この方法も計測に入手を要するので簡易にFig3にように1]より10]までの状態について時間と回頭角を計測する。
なお、本試験終了後、操舵速度を計測する。この操舵速度は舵輪の速さではなく、実際の舵角の速さである。ここで、右10°より左10°に転舵する舵角が右5°より左5°までの間の時間ならびにこの逆操作の時の時間を計測する。要領はFig.4に示すとおり。