日本財団 図書館


3.4.2 海上試運転で行う諸試験

(1) 速力試験

(a) 試験の方法

原則として海図に記載された標柱間を各主機出力毎に1往復し、往復の各速力を平均する。この場合の注意事項は次のとおりである。

(i) 入標前直線航走は回転整定に必要とする程度とする。

(ii) 機関回転数が整定してから入標する。

(iii) 試験中には、バラスト、ビルジ等の注排水を行わない。

(iv) 保針に留意する。

CPPを装備した船舶では、翼角を一定にして回転数を変えた場合と、回転数を一定にして翼角を変えた場合との二つの場合について速力試験を行う。

(b) 主機回転数、翼角及び出力

回転数を変える速力試験の主機回転数は、陸上公試時の1/2、3/4、85%及び4/4(MCR)の各出力回転数にて行う。主機関出力の算定は、軸出力計によるか又は陸上試運転時の成績より推定する。CPPを装備した船舶の翼角は、4/4出力速力試験において、主機関の推定出力が当該主機関の連続最大出力を超えない翼角とする。

(c) 標柱間航走時間の計測

航走時間の計測は、3人以上の計測員により計測し、その平均をとる。ただし、1個が大きく他の計測時間と離れた場合には残り計測時間を平均する。

注:総トン数500トン未満の船舶にあっては全力状態のみで行ってもよい。また、標柱間速力試験の実施困難な地方においては関係者協議の上流木試験を代用してもよい。

(2) 操舵試験及び応急操舵試験

(a) 試験の方法

前進速力整定後、下図要領のとおり面舵及び取舵の各最大舵角を発令し、舵取時間及び舵角追従時間をそれぞれ計測する。最大舵角は、特例のほかは、35°とする。

 

146-1.gif

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION