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第2章 電気艤装注意事項

 

2.1 安全

(1) 一般

特に電装工事に必要な対策として、高所作業が比較的多いので、足場の点検整備、安全帯の使用励行を行うこと。また手と眼の災害が多いので、皮手袋、遮光及び防塵鏡等保護具を使用させること。また亜鉛メッキ金物のガス切断や溶接が比較的多いので、中毒防止のため換気及び防塵、防毒マスク等に留意すること。行動範囲は船全般に渡るため行動災害に注意する必要がある。

使用電圧は低圧であるが、作業区画は周囲が鉄で良導体であるから活線作業はさけること。事故の大部分は注意さえすれば防止できるものである。常に次の事を頭に入れて置くとよい。

(a) 電撃は予告なしで来る。

(b) 急げば事を仕損ずるといわれているが、あわてると注意が恐ろそかになり事故を招く。

(c) 注意してやることは結局は時間の節約となる。

(d) 一かばちかでやってみると言う事は、事故のもとである。

(e) 安全対策がわからないときは、自己を危険にさらす前に対策発見に努めよ。

(f) 非常の場合を除き活線作業は行うな。

(2) 活線作業上の注意

電源が生きている時は、回路、機器の修理はやむを得ない場合のほかは避けるべきである。また電源スイッチには、作業中で無断投入を禁ずるむねを記載した札を掛けておき、修理が終了後注意札を取り除くようにするべきである。やむを得ず生きたままで作業を行う場合には、次の事を守らなければならない。

(a) 十分な照明を行うこと。

(b) 作業者は、腕時計、指輪、その他金属製品を身につけないようにすること。

まただぶだぶの作業服は着ないこと。作業服や靴はよく乾燥したものであること。

(c) 作業者は船体から絶縁し、周囲の機器、構造物で作業者が接触する恐れのあるものは、絶縁物でおおっておくこと。

絶縁物とは、乾燥した木材、ゴムマット、厚手の紙などである。これらの絶縁物は、よく乾燥し、穴がなく、かつ導電物が埋まっていない事を確かめること。

敷物は作業者が動いて作業するのに十分の広さがなければならない。

(d) 作業用工具はゴムテープなどでできるだけ被覆しておくこと。

(e) できるだけ生きた部分と作業する部分との中間に絶縁性の介在物を入れること。

 

 

 

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