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(6) 電線布設諸準備

電線布設を行うため次の準備を行う。

(a) 足場の確認

電線は甲板裏に布設され、高所作業になるので、安全に仕事ができるよう十分に足場が整備されていること。

(b) 電路及び周囲状況確認

電路工事の完了はむろん、電路付近の他所掌分野の火気作業(ガス、溶接、歪み)及び塗装、防熱工事等特に火気作業については、電線布設後の損焼につながるので完了させておくこと。塗装、防熱工事については狭隘部分について完了させる。これらは関係職担当者と連絡を密にして行うとよい。

(c) 布設用治工具の装備

電線送りを容易又は損傷防止用に、屈曲部にはロラーを取付ける。機力にて布設する場合はウインチや電線送出し装置は効果的かつ安全な位置に配置する。

長尺電線(機関室〜居住区〜船首部)を布設する場合は、トランシーバーや電話、中所付近には脚立などの準備が必要である。また隔壁及び甲板の貫通部には、導入位置を示した図面を貼付け、電線の導入作業を容易にする。

(7) 電線布設

電線の布設順としては、装置別では大物機器(発電機、主配電盤、集合始動器盤、機関監視盤、非常配電盤等)から、電線では長尺もの、太いものから、電路別では主電路から支電路へ布設される。区画で順序を付ければ、機関室では機関制御室から、居住区では上甲板から優先し布設されるのが一般的である。

以上については船内布設する場合の手順であり他の艤装ステージで、ユニット艤装、ブロック艤装等のステージで布設する場合はこのかぎりではない。

船内における布設作業は一般に短い電線(支電線)は2人ペアとなって1バンド毎に整理しながら布設される。長い電線(主電線)は両区画の作業グループ間で事前打合わせを行い、能率のよい作業員配置、布設順等を決め多人数により布設される。

特に中間マークがある場合は、始点又は終点方向の指示が必要である。また電線は上部から下部へ布設すると、仕上りもよい。いずれにしてもリーダーを明確にしその号令によりリズムを取って布設すると能率よくできる。

(8) 電線の固定

布設された電線は振動や衝撃によって電路から飛び出さないように、電路金物にバンドにて固定しなければならない。これ以外にパイプやダクトに電線を布設することによって、これに代える場合があるが、その方法については船扱規則の適用を受けるので、規則を満足するものでなければならない。

 

 

 

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