以上のような取付け例であるが、天井面より灯具取付面までの寸法が長くなる場合は、必要に応じて支持部に電線馬及びステー(振れ止め)を取付ける。
(d) その他
機器台の溶接に際しては、台の機器取付面に歪みを起こさないように行う。また甲板のキャンバーやシャーなどに合わせ、合わせ代を切断し、水平を出して溶接する。
甲板に歪みがあり、台溶接個所の隙間が大きい場合は(図1.29)のようなコの字形治具を使用して金矢を打込み、甲板台のすきまをなくして溶接する。
壁などへ取付ける場合、台を寸法通り取付個所へ当てがって一担仮付け溶接し、水平と垂直の確認後、本溶接する。
1.2.2 電線布設
(1) 一般
電線布設作業とは、船に装備された多数の電気機器がすべて完全に作動して、それぞれの機能を確実に果すよう機器総合間に電線を布設することであり、電線布設は電気艤装工事(電装工事)の中で最も大きな比重を占めている。電線を計測する方法としては、現場合わせで実測する方法と電線布設図等により図面上で設計段階で計測する方法がある。現場合わせで実測するのは計測は正確であるが時間を要するので、一部の照明装置用電線及び使用頻度の高い電線について採用され、それ以外は現場合わせより不正確ではあるが要する時間が少なくてすむため余長を何割か加え図面上で計測しているのが一般的である。
電線長は、一般に電装工事における予定工数を算出する目安としているが、これも正確ともいえないが、他に正確な目標がないのが現状である。電線布設には電線布設図が使用され布設される。
(2) 布設に対する諸注意
電線を布設するに当っては、布設中はもちろん布設後も、電線を傷めないような方法及び場所の選定等、十分に考慮し、電気装置の性能に、いささかも影響を与えてはならない。一般的には次のように注意して布設される。