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(4.1.4) 電線計測及び集計

電線計測集計作業は単純であるが工数を必要とし、また計測・集計等の誤りが生じやすい。

電線長さ不足は、高価な電線の廃却につながり、ひいては電装工事の遅れともなるので、慎重に行わなければならない。

この部門にも造船所によって電子計算機を導入し、計測及び集計作業に活用している。電線計測は系統図、配置図、布設図、取付図等を利用して行う。

系統図、布設図は、電線種類、系統符号、布設経路等を知るために、また配置図及び取付図は、機器の取付位置及び電線長さを図上で実際に計測するために使用する。

計測には伸縮の少ない細ひもを使うのが一般的である。

電線長さは(該当電線の布設電路長さ+結線代)で出されるが、実際に布設された電線の状態を考えると、単純に電路長さと結線代の合計が、電線長であるとは言えない場合が多いので、次に示す条件を考慮して、計測長に多少の余裕を加える必要がある。

a) 電線管、電線ダクト内に布設される場合(電線が蛇行する)

b) 電線管にエキスパンションボックスを設けた場合

c) ななめ傾斜、曲がり、幅広電路の場合

d) 各種の電線貫通金物を通過する場合

e) 大形箱形機器内に電線が導入される場合

結線代は、造船所により機器ごとに標準長さを決めていると思われるが、一般に0.3〜0.5mが普通である。

電線計測に当っては、特に次の事項に留意する必要がある。

a) 計測に使用する図の尺度を確認する。

b) 甲板間を通過する電線は、甲板の高さを確実に加える。

c) 電路の高さを確認し、甲板高さの加減を忘れない。

d) 結線代及び余裕を加えることを忘れない。

e) 特殊線、長尺の電線、断面積の大きい電線は、計測ミスによる影響が大きいので、特に慎重に計測する。

f) 電線種類、系統符号を確認しながら計測する。

g) 系統別並びに装置別に順序よく計測し、計測もれのないよう注意する。

h) 機器の位置や用途を確認しながら計測する。

 

 

 

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