照明系統作図に当っては特に次の点に留意しなければならない。
(a) 照明器具は単相用のものであるため、分電箱母線のみならずその支回路においても、極力負荷が平衡するように考慮しなければならない。最終的には分電箱母線にて、不平衡は全負荷の約10〜15%以内に計画される。
最終支回路は通常15A以下に設計されるが電灯数にも規制があり、無制限には接続することはできない。NK鋼船規則では次のように定められている。
照明系統では、15A以下の電灯の最終支回路に接続される電灯の個数は次に示す値をこえないこと。
〔注〕1. コンセントは1個60Wとして計算すること。
2. 電動機、電熱器を接続してはならない。ただし、日常生活に使用する小型電気器具を除く。
一般に照明支回路はそれ専用に計画され、きわめて小容量のものを除いて照明器具以外の装置とは混用されない。
(b) 一般灯
機関室、ボイラ室やポンプ室等は、一般電灯の分岐支回路系統を複数にし、電灯も極力交互に配置する等して、故障が生じても全電灯が一斉に消灯することのないように計画する。
(c) 非常灯
規則で要求されている非常灯は、非常発電機がある場合はそれより給電される。されない場合はバッテリー灯がこれに相当し、少なくとも次の場所には装備されなければならない。
非常脱出路(ボートデッキライト含む)、通常電源の復旧に必要な機器操作場所、重要な監視操作場所など。
(d) 投光照明灯
局部照明電灯を装備することが難しい広い区画(暴露部、機関室開口部等)に適用される。
有効に計画されれば局部照明灯を減少することができ、工事、設備面より見て経済的である。