本火災探知警報装置は、検出器としてイオン式又はサーマル式のものが各所に装備されている。尚本装置の電源回路、検出回路には装置の異常を監視するため、電圧喪失、断線の警報を設けてある。
(3.5) 吹鳴装置
他船への信号用として使用されるもので、エアーホーン、スチームホーン、ピストンホーン、モータサイレン等が用いられる。これらの制御は通常電気的に行われエアーホーンはそれぞれ空気ライン、蒸気ラインを電磁弁で開閉している。これら吹鳴装置は自動的に霧中信号を出させるようタイムコントローラがついている。
(3.6) エンジンテレグラフ
船橋から機関室へ主機関の速度を指令するために装備するもので、この指令が確実に伝達されるよう機関室で指令を受けたことを船橋へ応答するシステムが採用されている。受信器の信号としては、ベル又はゴングが使用されている。主機関を船橋から直接制御できるように計画されている船では、船橋のエンジンテレグラフで直接主機関の速度を制御できるようになっていて、最近の自動化船ではほとんど採用されている。一方エンジンテレグラフの指令と時間を記録しておく装置をテレグラフロガと呼び、中型船以上に装備されている。
(3.7) 舵角指示器
実舵角を船橋の操縦場所に遠隔指示するために設けられているもので、一般にはシンクロモーターの同期を利用したものが使われている。
(3.8) 主軸回転計
船のプロペラ軸の回転数を船橋の操縦場所や機関制御室などに遠隔指示するために装備されるもので、直流発電機式のものが使われている。主機関の回転速度がプロペラの回転速度と異なる場合には、主機関用のものを別に装備する。
(3.9) 船の娯楽設備
テレビ空中線共用装置、ラジオ空中線共用装置、ステレオ、ビデオ装置等があり、通信装置に含めることが多い。
時刻を知る装置としては、一般に水晶時計が使われる。これは親時計に内蔵された水晶発振によって時刻を正確に保持し、各所に設けられた時計に信号を送り、船内各所に、正確な時刻を表示できるようにしたものである。また、親時計の調整によって子時計を合わせることができる。
(4) 航海装置
航海装置諸計器類には、多種多様のものがあるが、船種及び航行区域等によって装備機器はそれぞれ違ってくる。したがって、計画においては十分考慮の上選定することが必要である。なお、規則により義務付けられているものもある。