なお、電話の種類には次のものがある。
(a) 共電式
(b) 無電池式
(c) 自動交換式
(d) インターホーン
これらのうちよく採用されるものは、無電池式、共電式電話及びインターホーンであるが、主に船橋、機関室間の重要個所の通信用として装備され、中型船以上においては自動交換式電話も各室用の通信用として採用される。
この他タンカーのポンプ室等の危険区画には、防爆形のものが、必要であり、本質安全防爆形のものが採用されている。
(3.2) 船内指令装置
船内指令装置は、大型船、小型船を問わず最近ではほとんどの船に装備されている。
中小型船では、出力15Wから30W程度のものが多く、スタンド形、壁掛け形等があるが、設置場所を考慮して形式を選定する。また、これらには、ラジオ及びプレーヤ組込みの場合が多く、船首及び船尾へのトークバックを行う船もある。
スピーカーについては、暴露甲板上に装備のものは防水形として室内操作用、固定形に分けられ、船内装備のものは防滴形及び非防水形とし、必要に応じて両面形、片面形及び埋め込み形が採用されている。
(3.3) 呼び鈴装置
押ボタンと表示盤及びベル又はブザーからなり、船長、機関長、士官等の居住区から賄室を呼び出す呼び鈴装置、病室から船医などを呼び出す病室用、機関室から機関員を呼び出す機関員用、冷蔵庫に閉じ込められたとき呼び出す呼び鈴装置がある。
(3.4) 非常警報装置及び火災探知警報装置
船内火災時退船等の時に、船内へ連絡するための設備で、船橋に操作スイッチを設け船内通路、機関室、舵取機室等に装備したベルサイレン等を鳴らすようになっている。
電源については、蓄電池から給電され、回路には、ヒューズのみとし、スイッチは設けられず給電されている。
特に機関室の無人化を行う船では、同室火災を自動的に探知し、船橋や居住区で警報を行うことが義務付けられている。