これらの要具によりライナの4点を計測し、この記録にもとづいて調整ライナの機械加工を行う。
ライナ合わせは、光明丹を主機台板下面に塗り(要すれば主機台上面にも塗る)、ライナを挿入し、引抜き、当りを見ながら、グラインダーにて当りを修正しつつ合わせる。
当り率は80%を目標とする。
ライナ合わせが終ると、(必要に応じてライナ合わせの間にも)デフレクションを計測して異常がないか、チェックする。
7] ボルトの穴あけ
据付ボルトの穴は、普通ボルト(バカボルト)については、エンジン搭載前に孔あけする。リーマボルトの孔は、ライナ合わせを終えたあとに、下孔をあけ、リーマとおしをする。
8] ボルトの締付け
トルクレンチを用いて締付けするのが最もよいが、普通は、メガネスパナなどでたたき締めすることが多い。この場合は、締付けすぎないように、適正な大きさのハンマーでたたくことが必要である。
9] 据付検査
据付検査は、船主・艤装員・JG・船級協会などの立合いのもとに行われるのが普通である。
次のような検査があるが、一部省略されることもある。
1) ライナの当り検査
2) リーマの穴検査
3) クランクデフレクション
4) カップリングの心検査
5) 据付ボルトの締付検査
第1章 練習問題
1. 軸心見透し時、中間軸の削正代を計測するが、本文記載以外に、要領よく計測する方法を考えよ。
2. プロペラ軸搭載後、プロペラの搭載に当り、準備、あるいは注意すべき項目をあげよ。
3. 主機張付ライナについて
(イ) 主機台とのライナ合わせは、当り面何パーセントまで仕上げるか。
(ロ) ライナ上面には、外板側に向けて1/100程度の傾斜をつけるが、その目的はなにか。
4. クランクデフレクションの計測は、ピストンがどの位置にあるとき、ダイヤルゲージを読みとるか。またその許容差は、どの程度か。