2.5 補助ボイラ及び排ガスエコノマイザの自動化
2.5.1 概要
ディーゼル船での蒸気は、通常の場合、航海中は排ガスエコノマイザによってまかない、出入港時や荷役時、停泊時などは補助ボイラによってまかなっている。しかし、冬期や主機の低出力運転時には補助ボイラで追だきする必要があるし、また航海中排ガスエコノマイザによって余剰蒸気が発生しないよう、排ガスダンパを操作することもかなり繁雑な作業である。これらの作業負担を軽減するため蒸気発生装置系統に自動化が採用されるようになった。
2.5.2 補助ボイラの自動化
補助ボイラの自動化には、従来から使用されている円ボイラや立ボイラなどを必要に応じ自動化したものと、最初からパッケージ化し自動ボイラとして計画されたものとがある。一般に採用されている自動化は、ボイラ本体や関連補機、関連管系統の弁操作などの始動前準備作業は手動とし、これが完了した後自動運転とするのが通常である。
補助ボイラの自動制御の基本的な項目は、自動着火、燃焼・給水制御、自動消火でり、その他に安全運転のための保護装置を装備している。これらはボイラの形式、バーナの種類、制御方法、メーカなどにより幾分異なるが、基本的にはほとんど同じで、その概要は以下のとおりである。
(1) 始動及び給水制御
給水ポンプを始動してボイラ水位を安全水位以上とする。これを条件として、着火及び燃焼制御系統の自動制御が可能となる。
給水制御については、いろいろの方法があるが、燃焼制御系統からは独立しており、一般には給水ポンプを連続運転して給水加減器でドラム水位を一定に保持する方法と、ドラム水位により給水ポンプを自動発停させる方法がある。
(2) 着火及び燃焼制御
着火及び燃焼制御は、一般的には、電気的シーケンス回路を組み込んでプログラム制御を行っている。
まず、始動ボタンを押すと送風機が運転され、ボイラ炉内のプレパージが行われ、その後イグニッションが働いて燃料油が噴射され着火する。着火は電気火花によるものが普通である。
燃料制御の方法としては、蒸気圧力の変動を検出して蒸気圧力スイッチが作動することによっている。