また潤滑油温度制御の方法としては、潤滑油冷却器を通過する潤滑油量を調節する場合と、潤滑油冷却器を通過する冷却海水量を調節する場合とがあり、自動温度調節弁としては空気作動ダイヤフラム弁やワックス式温度調節弁が採用される。
(3) 潤滑油の自動連続清浄
発電機関の潤滑油の清浄としては、特殊フィルタを装備して常時バイパス清浄を行う場合と、潤滑油清浄機により常時循環清浄を行う場合とがある。
2.4.4 保護装置
ディーゼル発電機関には、潤滑油や冷却水の圧力が低下したり、また温度が異常に上昇したり加速度の状態になった場合に、大きな事故を未然に防止するための警報装置や機関を自動停止させる保護装置を装備することがある。これらの装置はいずれも機械式か又は電気式を採用するが、温度上昇時の自動停止は電気式のみを採用する例が多い。
(1) 潤滑油及び冷却水圧力低下非常停止装置
(a) 機械式
潤滑油や冷却水をそれぞれの作動シリンダに導いて作動シリンダ内のバネの力とバランスさせておき、設定圧力に低下するとバネの力によって機関の燃料レバーを停止の方向に作動させ、機関を自動停止させるもので、通常は機関付の付属装置として装備されている。
(b) 電気式
潤滑油や冷却水をそれぞれの圧力スイッチに導き、設定圧力以下に低下すると、これらのスイッチが働いて停止ソレノイドを作動させ、燃料レバーを停止方向に動かして機関を自動停止させる。
(2) 潤滑油及び冷却水温度上昇非常停止装置
潤滑油主管や冷却水出口主管にそれぞれ温度スイッチを装備し、設定温度を超えるとこれらのスイッチが働いて停止ソレノイドを作動させ、燃料レバーを停止方向に動かし、機関を自動停止させる。
(3) 加速度非常停止装置
(a) 機械式
偏心環を機関の適当な軸に装備し、定格回転数の110〜115%になると偏心環の作用により潤滑油主管の潤滑油を自動的に逃がし、潤滑油圧力低下非常停止装置を作動させる方式が採用されることが多い。