1.4.2 機関室の船体構造
機関室全体装置の決定に当り、まず第一に考慮しなければならない船体構造については、与えられた広さの中に、単に諸機器を配置するだけでなく、船体部と十分協議をして、機関部としての要求をできるだけ通してもらう必要がある。船体部との関係は、詳細設計の段階になってからも種々問題となる点は多いが、その中でも主要なものについて簡単に説明する。
(1) 機関室の大きさ
機関室は諸機器の保守、点検及び配管を考慮した上で、極力小さくするように努力すべきである。
(2) 機関室囲壁
現在では船尾機関が多く、また居住区も船尾部配置が多いため、次の点を考慮の上、船体部設計と協議し決める必要がある。
(a) 諸機器の積込み、搬出が可能なこと。
(b) 主機など諸機器の開放が可能なこと。
(c) 梯子、通風路などの配置が可能なこと。
(d) 燃料などの大型タンクの配置が可能なこと。
(e) 排ガス管、煙路などの導設が可能なこと。
(3) 天窓
機関室の採光、通風、機器補修部品の積込みなどのために天井に天窓か機器搬出入口を設ける。
(4) 機関室内台甲板
台甲板を設ける船では、その部分の上下の高さが非常に厳しくなることがある。その高さは、機器の保守、点検を阻害しないで、床、天井の配管を考慮した上で、通行に不便にならないようにする必要がある。
(5) 二重底
二重底にタンクを持つ場合、主床と二重底タンクトップの間の高さは、床板下の配管などの関係からできるだけ高くとり、したがってタンクの高さはできるだけ低い方が望ましいが、タンク内の作業を考慮し、船体部設計と十分協議して決める必要がある。
(6) その他
ピラー、ビーム、ガーダ、スチフナなどの船殻構造物は、諸機器の配置と干渉することが多いので、できるだけ諸機器の配置に合わせるよう船殻設計と協議する必要がある。