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このように全体装置図は、計画初期から船が完成するまで使用され続ける。したがって船の契約前で、十分資料がそろわない頃に、既成船を参考にしたりして、ある程度の推定を加えながら、設計に着手しなければならないことも多い。そして順次必要事項が決まるにつれて修正され、完全なものとなっていくのである。

機関室全体装置は、上記のように機関部図面の基本となるものであるから、その設計者は機関艤装全般についてはもちろん、電気艤装や船体艤装、船体構造、あるいは船級規則などについてもある程度知識を身につけておく必要がある。

機関室の配置は、船種、装備機器の種類及び台数などに応じて、それぞれ適切に設計されなければならない。

その詳細は一律には述べ難いが、一般的な方針としては次の点に留意する必要がある。

1. 機器の操作がしやすく、安全に行えること。

2. 機器の点検、分解、検査などに容易に行えること。

3. 諸装置がなるべく簡単に、かつ経済的な配置であること。

4. 火災などの危険性が最少であり、脱出などについても十分考慮されていること。

5. 諸機器の配置は船体中心線に対して、左右両舷が重量的にほぼバランスするよう考慮されていること。

6. 通風/換気に留意し熱やオイルミスト等が停滞しないよう配慮すること。

7. 機器の振動、騒音が機関制御室、居住区にできるだけ影響を与えないように配慮すること。

8. 艤装の効率を考えて配置はまとまり良く、できるだけ同じ種類の機器・系統をまとめ、早期艤装、ユニット、地上での取付なども考慮して配置を決定すること。

9. 以上を満足した上で、機関室ができるだけ小さくされていること。

図1.4.1〜図1.4.4に機関室全体装置図の例を示す

 

 

 

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