1.1.3 発電装置
船は陸上から隔絶して航海するので、船内に発電装置をもたなければならない。発電機は船内の電動補機、照明、通信、航海計器、その他すべての電力をまかなうものであり、船の運航にはもちろん安全上からも欠くことのできないものである。
一般に、航海時あるいは荷役時に使用するものを主発電機といい、それ以外に船の停泊時又は非常時における安全の目的で、補助あるいは非常用発電機を設置することもある。
電源としては直流と交流の2種類があり、かつては速度制御する必要のある直流電動機を備えていたために直流電源が多く用いられていたが、現在ではその問題も解決され、ほとんどの船に三相交流電源が使用されている。
1.1.4 補機器
主機以外の機器を総称して補助機械(略して補機)といい、その種類、形式や数、組合わせは、船の種類や大きさ、主機の形式により大きく異なってくる。
近年はIMO等により、海洋環境に配慮した機器の搭載が義務づけられてきており、機関部としても大きな関心を持っておく必要がある。
補機には発電機、補助ボイラ、各種ポンプ類、空気圧縮機、油清浄機、造水装置、油水分離器、冷却器、加熱器、通風機などがある。また、それらの中で特に主機の運転に直接必要とする補機を推進補機あるいは主機関連補機と呼び、その他の補機を一般補機又は雑用補機と呼ぶことが多い。
1.1.5 諸管装置
機関部の諸装置は、主機や補機が機関部のプラントとしてうまく結合し、機器がその能力を十分に発揮できるようにするほか、乗組員の作業性や居住性を向上させたりするためのものである。
それらの中には配管装置のほか、交通装置、通風装置、タンク装置、排ガス管及び煙路装置、機器揚重装置、保温及び防熱装置などがある。
1.1.6 機関部の自動化
近年、経済性の追求と技術革新により、船の各部においてさまざまの自動化が採用されている。これにより乗組員の合理化もなされ船内労働条件の改善、安全性の向上にも大きく寄与している。