(a) コーミングの高さは規則で決められた寸法が確保されているかどうか確認を要する。特に甲板との切り合わせ時に注意すること。
(b) 蝶番の方向は波の来る方向、すなわち船首側あるいは舷側とする。(通行上やむを得ない場合を除く。)
(c) 取付完了後チョークテストを行い、パッキン当りを十分調整の後ホーステストを実施する。
(2) 扉
水密すべり戸、風雨密戸、非水密戸等の種類があるがいずれも取付壁面の歪取りを十分行った後取付ける事がポイントとなる。取付け上の注意点は小倉口蓋と同様である。水密すべり戸は取付け後の水密性確保のための調整は非常に難しいので特に注意を要する。
(3) マンホール
タンクや空所に設ける事が多く、その性質上、取付ける場所に見合った強度と、水油気密性能が満足されるよう設計されているので単に形状のみで判断しないで部品符号や取付け場所を十分確認して取付ける事が大切である。また、できるかぎり地上ブロッで取付けた方が良い。コーミングの本溶接が完了したらカバーは仮締め(パッキンはこの時点で入れるか、本締め時に入れる)しておき取付け部の仕上塗装が完了した時点で本締めする。水圧テストやホーステストを実施する区画に取付けたものはテスト前に一旦本締めする事はいうまでもない。
カバーを取外しておく場合には甲板付の開口には落下防止網等を取付け、安全に対する配慮が必要である。
9.4 練習問題
1. 交通装置の取付け上の注意点を述べよ。
2. 小倉口蓋や水密扉のコーミング高さを確保する事は大切であるがそれはなぜか述べよ。
3. マンホールの取付け上の注意点を述べよ。