6.2 罫書作業
造作関係工事の最初の工程である罫書作業は木艤装工事を熟知した作業者があたることが大事である。諸室の各仕切壁、内張の位置及びそれらの取付け用ピース類の取付け位置を船体に罫書きする作業である。
罫書の際は次のような点に注意する。
(1) 罫書の良否により造作工事がやりやすくもなり、やり難しくもなる場合が多分にあるのでその点十分配慮して罫書きする。
(2) 各仕切壁は垂直に取付けるため、船体中心に対し、縦壁は平行に、横壁は直角になるように罫書く。すなわち、バトックライン、フレームラインを基準として定める。
(3) 木艤装図面だけでなく、船殻図、艤装品の製作図など他の関連図面を一通り調べ関連性を考慮しながら罫書く。船殻構造等に不具合個所が発見された場合は関係部署と打合わせ必要ならば手直しする。
(4) 造作取付けピースの長さ、内張り深さ等を考慮し、寸法を決め、その寸法の取付けピースの記号(番号)を取付け位置にマークしておく。
(5) 居住区関係船体構造のデッキハイトなどの寸法は10mm〜20mm程度の狂いはよくあるので、内張り及び家具などの寸法を十分チェックの上、逃げを取った罫書きをする。
(6) 艤装品、機器等が付く場合を配慮し、増根太などを考慮した罫書きをする。
(7) 罫書位置の要所には取付け作業者がはっきりわかるようにポンチを打っておく。
(8) 鋼壁の扉取付け用開口部の罫書についてはシールハイトに注意する。
6.3 仕切壁取付工事
仕切材としては一般に910mm×2,420mm×22mm、910mm×2,420mm×25mmの大きさの合板、パーティクルボード、けい酸カルシューム板等の材料が使用される。仕切壁取付け作業にあたっては上部及び下部取付け金物が垂直な位置にくるように注意しなければならない。垂直をだすのにピラー、スチフナ等を用いると失敗することがある。鋼壁から上下位置をだすと正確である。
6.3.1 木製根太組みによる仕切壁取付
(1) 仕切壁上部取付け要領
仕切壁上部取付け要領には次のような方法がある。
(a) 上部甲板からカーテンプレートを下げるか、ガーダービームにフラットバーを溶接し、それに仕切板を取付ける方法で図6.2の通り。