鋼管を塩酸中に長時間放置すると、ミルスケール、錆等は除去できるが、地金を侵食するので、塩酸の濃度、古さによる処理時間は異なるが、適当な時間を選ぶ必要がある。
酸洗い後の水洗いには、ミルスケール、その他部分的に鋼の面に残っている異物はブラシにより除去する。
中和剤は種々あるが苛性ソーダでもよい。また、中和後、錆止め剤を入れた水洗槽に浸すこともある。
(2) 酸洗い後の処理
酸洗いが終ってから、圧縮空気等で水分を除き、十分に乾燥した後、油管には管内面に防錆油を塗り、防じん、防湿のため管端にテープ、ベニヤ板、又は薄鋼板により盲蓋をする。
防錆油を塗っては具合いが悪い蒸気管などには気化性の防錆剤が用いられる。
また酸洗い後は錆びやすくなるので管外面には錆止め塗料を塗っておく。
4.7.3 溶融亜鉛メッキ
亜鉛メッキは最も一般的な鋼管の防食方法で、清水管、海水管、バラスト管、ビルジ管、排水管、空気管等に広く用いられている。
(1) 施工方法
亜鉛メッキを行う鋼管は、酸洗いを行った直後、十分に乾燥し、60℃〜100℃に予熱してから、亜鉛メッキ槽に1分〜2分間浸漬してメッキを行う。亜鉛メッキ槽の温度は450℃前後が最適である。