4.6.4 ろう付
一般にろう付は母材を適当な温度まで加熱して、母材より融点の低い溶加材を用いて接合させるもので、真鍮ろうと銀ろうが主に用いられる。
真鍮ろうは融点が高く、厚く肉が盛れるので銅管のフランジ付けなどに用いられ、銀ろうは比較的融点が低く、小径の計器管などに用いられる。
ろう付を行う際には、溶融点における酸化物や有害物を除去し、湯流れを良くするために母材に適したフラックスを用いなれけばならない。
また接合される部分の表面はワイヤブラシなどで、十分掃除をしてからろう付けを行う。
4.6.5 アルゴンアーク溶接
この方法はアルゴンガスにより溶接部を包被しながら、溶加材をアークで溶かし、溶接していくもので、ガス溶接のような容易な作業性をもっている。
その他良い点は次のとおり。
(1) フラックスを必要としない。
(2) 被溶接物の酸化がない。
(3) 気泡及びスラグの巻込みがない。
(4) スパッタがない。
(5) 溶接変形が少ない。
アルゴンアーク溶接は鋼はもちろん、銅及び銅合金、アルミニウム、ニッケル、ステンレススチール等の溶接に利用されている。
4.6.6 炭酸ガス自動溶接
この方法は上記のアルゴンガスのかわりに安価な炭酸ガスで溶接部を包被しながら、自動的に溶加材を供給し、溶接してゆく方法で溶接長の長いものには能率的である。
4.7 管の表面処理
完成した管を艤装する前に管そのものの仕上げはもちろんのこと、防錆及び特殊塗装(ライニング)などが行われる。
4.7.1 管の仕上げ及び清掃
(1) フランジ面
圧力20kg/cm2以上の高圧管はフランジ面を機械加工又は定盤すり合わせ加工を行い、管に対して直角に平面を仕上げる。
その他の一般管に対しては、グラインダー等によりフランジ面仕上げを行う。その場合フランジ内面溶接部のフランジ面への盛り上りやスパッターを完全に除去する必要がある。