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第20章 手摺装置及び天幕・おおい装置

 

20.1 手摺装置

20.1.1 手摺

「設」104条には、旅客船は高さ1m以上の舷墻又は手摺を堅牢に取付けるよう義務づけている。その他の船では特に義務づけはないが、一般に舷墻のない舷側には、安全のため手摺を設ける。

倉口の両側に当る部分の舷側部、端艇を揚卸する部分の舷側部、舷梯の位置、小倉口の縁材の高さが低い場合等には、取外し式の手摺を設ける。

その外に階段、通路等所要部には、舷側手摺の式の外に、グラブ・レールを設ける。

舷側手摺に、防波幕を取付ける場合もある。

係船装置のある付近では、綱取を考慮して支柱の配置をしなければならない。

 

20.1.2 手摺の高さと横棒

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20.2 天幕・おおい装置

20.2.1 天幕

天幕は、居住区上部の甲板上に設けて、その甲板を日照及び雨露から保護し、下の居住区の防熱の役割をする。

天幕は甲板上に、中央及び舷側に支柱を立て、中央に船体中心線に沿って棟木を設ける。これから両舷に向って、たる木を出し、舷側に鋼索を張り、これに天幕を展張する。

天幕は、排水をよくするため、船体中心部を高くし傾斜をつける。舷側の高さは約2m位がよい。天幕の取付けは、鳩目をロープでかがり付けて、取外しができるようにする。

支柱その他に鋼管を用いる場合は、亜鉛メッキとし、鋼索には帆布を巻く。旅客船では、外観その他の関係で、軽合金、木、プラスチック等の固定枠を用いるものもある。

支柱は、固定式と取外し式とがあるが、舷側に立てるものは、舷側の手摺支柱と兼用にすることがある。

天幕は強風又は高速航行の際、固定のもの以外は取外さなければならない。天幕の大きさは、船の復原性も考慮して定めなければならない。

天幕を装備する所は、一般に、航海船橋、端艇甲板、船尾楼甲板、旅客席甲板である。

 

20.2.2 諸おおい

(1) 天幕の一部として、風波、風雨から乗員を守るために側幕を用いる。

また、日除け、雨除けのために常設する小型のものもある。

(2) 甲板機械、航海器具、通風筒、ワイヤリール、救命艇、錨鎖管等に、おおいを設ける。

 

 

 

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