18.9 バラスト管系
バラストタンクは航海中の船の喫水やトリムを調節するために設けられているが、タンクには、バラストを吸引又は注入するためのバラスト管を設ける。
(1) バラスト吸引管の内径及び断面積。
「鋼」453条により、次の式により計算する。
タンクに1本設けるとき。
ここに、
d=バラスト管の内径(mm)
T=タンクの容量(m3)
タンクに2本以上設けるとき。
断面積の和を、上式による径の管の断面積より増加すること。
内径は60mm未満とすることはできない。
(2) バラスト吸引管の設置
二重底のある船では、二重底内の肋板の軽目孔又は人孔を通し、機械室の後部では、軸室内に主管を導設してバルブ・ボックスを用いて各バラストタンクに導く。
(3) バルブ・ボックスの役目
バルブ・ボックスは、バラスト・ポンプ、雑用水ポンプ又はビルジポンプ等と連結又は兼用して、船外への排水、他のバラストタンクヘの移送に使用する。
(4) バラストの種類。
バラストタンクは、燃料タンクと兼用する場合が多い。したがって、タンクにはバラスト水又は燃料を出し入れする。また、バラスト水として海水の外に清水を入れる場合もある。
(5) バラストと貨物の兼用
ディープタンクをバラストと貨物の兼用として使用するときは、バラスト吸引管及びビルジ吸引管の両方を導設し、バラスト積載時にはビルジ吸引管に盲蓋を施し、貨物積載時にはバラスト吸引管に盲蓋を施す。
(6) ビルジ及びバラストの管系
「区」に、これに関する規定がある。