第15章 冷蔵装置
15.1 一般
冷蔵装置には、船客や船員の糧食を保存するための冷蔵庫と、腐敗変質しやすい貨物を貯蔵運搬するための冷蔵貨物倉の装置とがある。後者には、低温に保つだけのものと、漁船のように急速冷凍をして保存する冷凍装置をもつものとがある。
15.2 冷蔵庫
15.2.1 電気冷蔵庫
船客や船員の日常食糧の小出保存用として用いられるものは、小は氷冷蔵庫を用いるが、普通は陸上と同じような電気冷蔵庫が用いられる。この種のものは、フロン冷媒を圧縮液化させたものを冷却管内で膨張させる方式のものである。
15.2.2 糧食用冷蔵庫
糧食用冷蔵庫の容積は、船客や船員の数と航路の航海日数等によって定まるものである。冷蔵庫は、肉庫・魚庫・野菜庫・ロビーの各冷蔵室に分かれているのが普通である。
各冷蔵室の純容積=qrND(m3)…(15.1式)
ここに、
q=1日1人当り食糧必要量(kg/人/日)
r=食品の単位重量当り容積(m3/kg)
N=人数(人)
D=航海日数(日)
国内船においては、q、rは次のとおりである。