3.2 錨鎖(アンカーチェン Anchor chain)
3.2.1 錨鎖の種類
錨鎖には、スタッドチェーン(Stud chain)とスタッドレスチェーン(Studless chain)の二種類がある。錨鎖その他の力のかかるところには、主としてスタッドチェーンを用いている。スタッドチェーンは、鎖がよじれたときに荷重を急激に加えても切断することが少ないという特長がある。
鎖の鎖環(リンク Link)の材料は、錬鉄、鍛鋼、鋳鋼などが用いられ、その接合の方法によって鍛接鎖、溶接鎖、鋳鋼鎖等に区分される。
錨鎖と錨とを連結するために、次のものを用いて錨鎖としての用をなすものである。
(1) 連結用シャックル(Joining shackle)
これは1連ごとの連結用である。
これの一種にケンターシャックル(Kenter shackle)がある。
(2) アンカーシャックル(Anchor shackle)
これは錨と錨鎖との連結用である。
(3) スイベル(Swivel)
これは錨鎖のねじれを防ぎ、収錨を容易にするために用いられる。
(4) 根付鎖とそのシャックル
これは錨鎖庫内の根付金物に連結するためのものである。
3.2.2 錨鎖の寸法
(1) 鎖環の寸法比
JIS F 3302、3303、を参照
(2) 錨鎖の長さ
鎖環を連結して長さ25mにしたものを1連といい、この長さを1連の長さ(One shackle length)という。英国では15尋(約27.5m)を1連の長さとしている。
(3) 錨鎖の衰耗限度
錨鎖は「設」131条によって、衰耗の最も甚しい個所における平均の径が、その原径に応じて第8号表に定められたもの以下となったときは使用できないことになっている。