6.1.3 代表的な非破壊検査方法
(1) 外観検査
溶接が完了した後、溶接ビード部を肉眼でみて、脚長等の寸法的なもの、形状的なものをチェックしたり、アンダーカットやビットの発生状況をチェックしたりする。この検査での欠陥等は、原因対策と一緒に次項6.2で述べる。
(2) 漏洩試験
漏洩試験は、溶接部の気密、水密性をテストするものであり、水を使用する水圧テストと空気の圧を高めるエアーテストの2方法がある。それぞれのテスト圧は、規則で定められているから、それに従うこと。
このテストをやるときは、水や空気を張った反対側から、水や空気が吹き出してくるのを看視して検査をする。空気のときは見えないから、普通はせっけん水等を塗りつけ、漏洩があれば、あわ立つようにして見やすくしている。
(3) 浸透探傷検査
溶接部表面の割れやピットを検査する方法で、洗條液により検査面を清浄にした後、浸透液を塗布し欠陥部に浸入させる。余分な浸透液を洗條液で洗い落した後、現像液を塗布し欠陥部に浸入していた浸透液を吸い出すことにより、欠陥の有無を検査する。この方法は簡便なので広く用いられている。
(4) 超音波探傷法
超音波は、物体の中を走る性質を利用したもので、第6.2図のように、途中に、溶接の欠陥があった場合、その所在を示してくれる。ただし、徴妙な機械であり、扱いは専任者によらなければ、欠陥の位置の判断を誤ったりする。