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(5) 磁気探傷法

溶接部を磁化させると、第6.3図(b)のように、もし途中に欠陥があると磁気の流れがみだれて、磁束が一部表面に出てくる。そこへ磁性粉体をまくと、磁力線の方向にひきよせられて、欠陥のありかを示すことになる。

(6) X線検査

透過度も高く、種々な欠陥を明確に示すのは、このX線装置が有利である。これ以外にもβ(ベータ)線等も用途によっては使用されるが、造船においては、運搬可能な比較的小型のX線撮影器が便利である。

 

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第6.3図 磁気探傷法における磁束の変化

 

6.2 溶接部の欠陥とその原因及び対策

(1) 寸法と形状の欠陥

脚長不足、不等脚長(第6.4図)ビードの荒れ等があるが、この原因と考えられるものは

○棒径の選択の誤り

○棒角度の不適切

○層数の不適切

○電流の不適切

 

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第6.4図

 

(2) ブローホール

第6.5図のように、溶着金属中に、気泡が多数発生するものをいう。特にこまかい気泡が多数密集している場合をポロシティという。

この原因と考えられるものは

○アークが長すぎて、シールドガスが十分溶接部をカバーしないこと。

 

 

 

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