6.1.2 代表的な破壊検査法
(1) 機械的試験方法
溶接部を含んだ部分から、各種のJIS等で決まっている形状の試験片を切り出し、材料試験を行なうと同様に、各種の試験機にかけてみて、結果を調べるのである。この試験法は割合に手間がかかるので、後に述べる溶接工の技量テストの時とか、新しい溶接法を試みたりした時に行なわれる試験方法であり、通常の船体の建造中に、この種の試験をすることは殆んどない。
(2) 冶金学的試験方法(肉眼組織試験)
溶接の断面での、溶け込み状態を調らべたり、熱影響部の幅を確かめたり、隅肉溶接の場合、正確な脚長を知るために、マクロ試験片を作ったりする。
断面マクロ試験片の作り方は、溶接部を第6.1図のごとく切断し、断面をグラインダー等で平らに削った後、布ヤスリや布で磨いて、光沢が出るように仕上げる。
このままでも溶着金属部と母材の部分は区別がつくがこれをより明確に浮び上らせるには、酸で腐食させるとよい。どのような酸でも役に立つが、次に通常使われている腐食液を三種類示す。
1] 希塩酸 濃塩酸50ccと水50?t
70℃位に加熱して使う
2] 混酸 濃塩酸38cc、濃硫酸12cc
水50?t
3] 希硝酸 濃硝酸25cc、水75cc