第6章 溶接の検査と技量検定
6.1 溶接部の検査方法
6.1.1 検査方法の種類
鋲接合の検査が、孔検査以外に鋲を打ち終ったあと、ハンマー等を使用して、比較的確実に検査できるのに反し、溶接における欠陥は、仲々容易に発見されず、検査においても、熟練した技能が必要になる。従って、溶接部の検査には、溶接前に開先を確認すること、溶接中の電流や、運棒、姿勢の確認、及び最終の仕上げに対する検査の3通りを施行しなければ、完全な検査とはいえない。
溶接の検査法は第6.1表に示すように、大きくわけると、破壊試験と、非破壊検査法にわけられる。
破壊試験は、その溶接部分を、変形を加えたり、破壊したりすることで、この試験結果により、他の部分の強度等を類推しようとするものである。勿論、検査の対象となった部分は、製品とすることはできない。
非破壊検査は、これに対し製品を破壊しないで、放射線検査等を行うことをいう。