従って、このような場合は、第5.18図のごとく、直径200mm以上の円形または、それ以上の形に切り直して、溶接でふさぐ。この場合も、溶接棒は、ワレに強い低水素系を使用した方が無難である。直径が300mm以上あれば、初層以外の溶接棒は、イルミナイト系でも差し支えない。溶接の順序は、円形を半分にわかち、片側を全層溶接完了し、しかも空冷してから反対側の初層を行う。もし、まだクラックの入る危険性があれば、裏溶接まで完了後冷却して後、反対側の初層溶接に入るとよい。
○カラープレート
水密又は油密になる部分のカラープレートは、周囲とはラップの取り合いになり、応力によりワレの心配は少ないが水洩れの危険性の少ない方法を採用しなければならない。一般に水洩れは、姿勢のちがいによる棒のつぎ目で生じやすい。従って、棒のつぎ目では、後の溶接が先の終端又は始端を、溶かしてカバーしやすいように、電流値の小さい姿勢の分から先に行う。
第5.19図に、溶接順序の例を示す。