(2) 重ね接手の重ね代
第5.9図のごとく、重ね接手にする接合は、船体の構造には、多く見受けられるが、一般的に、この重ね代が、少なすぎると、曲モーメントがかかり、極端に力が落ちてくる。従って、板厚をtとすると(2t+25)mm程度とすることが望ましい。
(3) 隅肉の脚長
船体の隅肉溶接の脚長は、それぞれの重要性から、規則で決められているが、鋼船構造規程では、500条で“薄い方の板厚の70%を標準とする”とされている。
(4) 溶接接手の疲れ強さ
溶接接手は、鋲接手と異なり、その強度は100%母材と一縮であるといわれるが、それは欠陥のない静的強度の場合であって、疲労試験を行うと、溶接接手の形式によって、明らかに、その差が認められる。第5.2表に疲労試験を行ったときの、疲れ強さの1例を示す。