(2) 開先の形状
開先の形状は、それぞれの工場で、承認試験を受けて、認定されるものであるが、ここでは、標準的開先形状の例を示そう。
第5.1表に示すように突き合わせ接手では、手溶接の場合
板厚 1.6mm 〜 3.2mm は I 型
〃 4.5mm 〜 19mm は V型
〃 12mm 〜 X型
が適当であろう。ただし溶接姿勢の関係で25mm位までV型ほ使用されることもある。サブマージアーク溶接では、I型の範囲は板厚14mm位迄可能である。炭酸ガス溶接も溶け込みが深いので、14mm位の板厚迄I型が可能である。
手溶接のI型では、板厚が厚くなってくると、底部間隙2mm程度あけなければ、融合不良になる可能性がある。
V型の開先は普通50°〜60°であるが、棒径と融け込みを考えれば、60°としておいた方が良いであろう。
X型の開先は、第4章でも述べた理由から7:3の割合が良いであろう。
開先角度、及び寸法は第5.4表を参照のこと。
5.2.2 溶接強度の計算法
(1) のど厚の計算法
第5.8図のごとく、突き合せ接手の場合ののど厚は薄い方の板厚となる。隅肉溶接の場合は、脚長の斜辺に対して垂線を立て、その長さとなる。この場合いづれも余盛の分は計算に算入しない。余盛は何らかの溶接欠陥のおぎないと考える。隅肉接手が実際に破断するときは、のど厚を計算する45°の面ではなく、少しずれたところから剪断で切れる。