現在も、この方式は種々の改良がなされているので、将来、ますます使いやすくなると思われるので、もう少し詳細に説明する。
半自動溶接とは、溶接ワイヤーの送給を自動とし溶接作業者が溶接トーチを持って操作する方法である。半自動溶接が手溶接と異なる点は溶接ワイヤーの電流密度が高いことと、溶接中のアーク長がなるべく一定となるよう、溶接ワイヤーが自動制御されていることです。溶接ワイヤーの電流密度が高いことは、ワイヤーの溶接速度を増し溶込みも大きく、溶接能率がよい。また溶接ワイヤーの自動送給制御は遅棒操作など、作業者の高度の技能を必要としない。すなわち半自動溶接は溶接者の技能よりも、溶接機の作業能力と溶接材料及び溶接条件の正しい選定が大切である。
炭酸ガス溶接法の特徴は
イ) 溶着速度が大きく、溶け込みが深いので高能率である。
ロ) スパッタが少なく、フラックス成分がないので溶着効率がよい。
ハ) スラグがほとんど発生したいので、スラグとりの時間がはぶける。
二) シールドガスが安価なので経済的である。
ホ) 薄板の全姿勢溶接ができる。
へ) 低水素の溶接ができるので良質の溶接部が得られる。
ト) ステンレス鋼の溶接も可能である。
CO2溶接法を手溶接法と比較すると平均して次のとおりである。
イ) 能率
薄板の場合 約2倍
厚板の場合 約3倍
ロ) 経済性
薄板の場合 約2/3
厚板の場合 約2/5
ただし、施行方法によってバラツキが大きくなる。
溶接機の各部分の役目は、
イ) 制御装置
ガスの送給と停止、溶接電源の開閉。その他一番大切なワイヤー送給制御を行うことである。
ロ) ワイヤー送給装置
ワイヤー送給モーター、フィードローラー、加圧ローラ、ワイヤスプレ軸、コンジット取り付け金具、ケーブル、ホース取り付け金具から構成されており、すべてパイプ構造となっている。