(3) 船台傾斜が緩やかな場合や、レールや台車が新しい場合には、主綱を切断しても、船体が滑走を始めないことがある。
このような場合に備えて、進水力を補う装置を施しておく必要がある。
前端台車の車輪をジャッキで押出す方法と、船体を船尾方向からウインチで巻いて行足をつける方法がある。前者の方法が簡単で安全である。
6.4.5 進水前の点検
進水準備が完了したら、進水の完壁を期すために、各個所を総点検する必要がある。責任者自らこれを指揮して行い、不十分、又は作業洩れ個所があれば、その場で適切に処置をする。同一個所を必ず二人以上で点検する。これは人が違えば見る目も異なるし、見落しを防ぐためである。点検、手直し後は万全を期するため、立入り禁止にするとよい。
次のような点に留意して点検を行う。
○船体関係
(1) 舵は曲ってなく、固定は確実か。
(2) プロペラの廻り止めは確実か。