○軸心見透し後、ボーリング中は、軸心の狂いを招くような熱処理、水漲り、重量物の搭載は行なうべきではない。
○推進軸の軸心と舵軸心が交叉するように両方の軸心を設定するのが理想であり、許容誤差は5m/m位である。
○ピアノ線使用の場合は、細いものを強く張り、しかも垂れ下りを考慮する。軸系工事の種類と日程の例を第5.3表に示す。
5.6 キール見透し
船底見透し、キールサイトともいい、キールの上下の凹凸を調べることをいう。
キールの中心線の凹凸の平均を取ってベースラインを設定するために、見透しを行う。
キールラインを直線に保つことは、船型保持の基本であり、盤木作業、船底ブロックの建付け時から、直線を目差して、管理されなければならない。
直線に建付けても、継手での折れ、船体重量の分布の違い、盤木の圧縮、気温の変化等により、建造中には上下の変化を生じるものである。局部的に変化した船底を修正するのは困難であり、早目に盤木の緩め方、増緩め増設等により変化を防止しなければならない。
キール見透しは毎週一定の日時に行うべきである。進水直前の最終見透しは、全水圧試験完了後、船内に残水のない状態で、船底と上甲板での気温差の少ない夜に行われるのが一般である。
見透しの結果が直線になるのが理想であるが、一般には凹凸曲線が得られる。この曲線の平均が一般にベースラインとみなされる。