軸心本見透し
(a) ボス、船尾管、ガジョンの内面、前後面の削り代の決定
(b) 主機台、中間軸受台上のライナー上面の仕上げ代の決定
(c) 主軸、中間軸の軸長の決定
見透しには、火心とピアノ線を用いる二つの方法があるが、小型船のように軸長の短い場合には、ピアノ線をもちいる方が簡単明瞭で良い。
5.5.2 軸心見透しの日程
鋼船は、建造中、溶接、歪取り等の熱処理、ブロック搭載、水圧試験等による重量の変化により変形する。従って軸心見透しの期日までには、機関室より船尾部の船殻工事は全て完了して、変形による狂いが発生しないようにしなければならない。小型船は変形しやすいので、中央部より、船尾の外板、甲板等の溶接も完了していることが望ましい。見透し後の軸系工事、足場、塗装作業に要する日数を見込み、見透しの期日を決定するが、少なくとも進水3週間前には施行しなくてはならないだろう。
○ブロック建付けも、軸心を計測しながら行なう。(コッキングダウンとの関係に注意する。)
○小型船においては、外板の溶接、歪取等は、なるべく両玄対称に施行する。
○見透し施行時間は、船内と外気温度差2度以内の夕刻から夜にかけてが望ましい。
○見透し時には、船体内外の補強材、支柱等を取り外し、船体を無拘束状態にする。
○仮見透しの時期は、仮見透し後、本見透しまでに、主機台、軸受台、船尾管等の取付け溶接に要する日数を見込んて決める。3〜4日前が普通である。