IV 第二ステージにおいて活用さるべき情報について
(IT化の活用のために)
1 外注等の情報提供について
今回のヒアリングは、小手造船所の労働力事情にかかる大手造船技術者の人材情報システムの構築に重点をおいたため、外注については小手造船所の人手不足時の補完として利用しているとの考えにとどめている。
つまり、現在適正な人員配置をしている企業は不足の工員が発生した場合、外注によって補っており、また人員不足であるとした企業でも将来の受注不安に対処して外注を活用し、人件費の固定費化を避けて変動費化を図っているものと一義的な見解にとどめた。
しかしながら、小手造船所は技術者の確保と同時に、仕事量の見通しについての関心は高く、
・受注(特に400〜500トンクラスの作業船)が中国にとられ、現在は人よりも仕事が欲しい。
・今後、造船業界の為には下請企業を育てることが大事。
・港で小さな船の面倒を誰がみるのか。修繕は港に不可欠であるから、地場産業として残る可能性はある。
・地域に密着した情報提供が必要。
・外注に関する情報の提供等をITを通じて小型船舶工業会で対応したらどうか。
等の強い希望があがった。
仕事量の確保のためには、仕事にかかる情報さえあれば元請仕事はもちろんのこと、保有している専門的技術から幅広く下請仕事(外注受託)にも取り組むことが可能となる。また外注委託先についても、より適した技術を保有する社が近くに存在すれば管外(近県)への発注から地元への切り替え等小手相互間での融通も可能となる。そのための情報を仲介する機能を、小船工が構築できるのではないかと切実な要求となってあらわれたものと思われる。そこでより発展したIT活用への提案となったものと受けとめている。
これに対し、小手造船所が仕事量確保のために役立つ情報はどんなものがあるか収集し、そのニーズにマッチする情報を大手、中手、又は小手造船所相互間から収集し、提供するシステムを構築する必要がある。