(2) 今次システムについての意見
大手造船所側の意見を列挙すると以下のとおりである。
1] 制度自体はあっても良いといった感触である。ただ、各社とも、造船部門のウエイトは低く、情報提供する人材を造船部門のものに限るのであれば、他部門とのバランスをどうするかと言った意見もあった。
2] 職業安定所等の既成の機関は、人材を求める側(求人側)が求人情報を公開するシステムであるのに、今次システムは、求職者側(または、人材保有企業側)が求職情報を登録するシステムであり、プライバシー等を考慮すると、やはり、逆のほうが良いのではとの意見もあった。傾聴に値する意見である。
3] 今次システムに参加すると、大手造船所側でも担当部署を置き、若干の人材を割き、アフターフォロー、情報のメンテナンスを行う必要が出てくるのではないか。大手造船所にとって負担とならないか。
4] 今次システムに参加するとしても、会社は社員に対して、システムの紹介だけに留めたい。利用するか否か、また、データ等の登録申込は求職者個人に任せたい。
3 人材情報システムへの取り組み
大手造船所に対するヒヤリングは上記のとおりである。回答者は、あくまでも個人としての見解であると断っているが、ヒヤリングの結果でみる限り、大手造船所側は、今次システムに対して、積極的に取り組みたいというよりは、どちらかと言えば消極的である。
今次システムの実施に当たっては、情報提供側である大手造船所に対する十分な広報活動を行い、ニーズに合ったシステムの構築とシステムに対する理解を得る必要がある。