II 人材情報提供側のニーズと取り組み姿勢
1 大手造船所に対するヒヤリング実施
造船大手7社の概要表は参考資料?Tのとおりである。
一瞥して判ることは、造船業大手と言っても、売上構成から見ると、造船関連部門の売上が占める割合は、最高で住友重機械工業(株)の38.4%、最低は日本鋼管(株)の5.9%であり、造船部門への依存度は低い。因みに、売上高でみると、最高は三菱重工(株)の4591億円、最低は日本鋼管(株)の595億円である。
大手7社のうち、売上ウエイトの高いA社B社の2社、ウエイトの低いC社の在京3社について、ヒヤリングを行った。
個別のヒヤリング概要は参考資料IIのとおりである。
2 ヒヤリングの結果の概要
(1) 提供できる人材の存在について
定年年齢と今後予想される退職者数から推測して、今次システムが積極的に活用されるかは疑問である。
現在の退職年齢は各社とも60歳であるが、60歳定年者に対する再就職の支援策は特段ない。また、途中退職者は、自己都合によるものが多く、支援策を講ずる必要はないとのことである。
各社とも造船部門のスリム化を推進しているものの、退職勧奨等により社外に人材を出すというよりは、社内の配転でカバーする人事政策と見受けられる。
ただ、今後については、年金受給年齢の段階的引き上げという事態に対して対応を迫られるので若干の変化も予想される。
目下、造船重機の労使は、平成15年4月から定年を迎える者について、1年の再雇用制度を導入する方針で交渉しているが、希望者全員が再雇用される保証もないので、このシステムを利用するケースも考えられる。