(3) 大手造船からの技術工員の受入について
従業員数による企業規模別にみると、A群の4社は小手造船所の中でも規模が小さいことから、採用側も採用される大手からの人も馴染みにくいのではとの懸念がある。
実際、過去に溶接工員を受け入れた社はあるものの、使いづらいとの経験を持っており、その1社を含む、2社がアンケートでは「必要ない」としている。
しかし、ヒヤリングでは使いづらいとした受入経験のある1社は、現実には高齢者でもよいから短期的採用であれば考えたいと回答しているので、具体的な話となれば大手も問わないものとみられる。
また、アンケートでは大手からの採用に「回答なし」としてきた他の2社のうち、1社は現実に溶接工が不足していること、残り1社も退職予定者を抱え、50歳位までで通勤条件も合致すればと話しており、期待もしていることが窺える。
B群(5社)は、アンケートでは受入を「必要ない」とした3社は現在人員は適正の状態にあるためである。
即ち、1社は従業員5人の削減を実施したこと、あとの2社は適正人員、かつ大手の社員は働かない、賃金・思想が合わないとみたことが事由である。
しかしながら、リストラを実施した1社は、先行き熟練工員が不足になる不安を抱えていること、またあとの2社のうち1社は、職安採用者の離職率が高いとの悩みをもっており、それぞれ即戦力となる人を必要としている。