3 アンケート集計結果及びヒヤリング結果の分析
(1) 現状
対象造船所は従業員数(社外工を含む)に基づき4群に分類した。
これによると、従業員規模10人超25人以下のB群において労働力の適正化が図られているが、他の群は労働力の確保を必要としている状況にある。
しかしながら、B群の労働力につき適正と回答した社は、設計部門で女性を戦力化している社、従業員のリストラを実施した社である。これらの社を含め、工員不足時は外注活用等で対応してきているもので、依然として主体は高齢者の労働力に依存していることによる先行き不安、若年層の労働力不足等の悩みを抱えている実情にある。
労働力は、A、C、D群の「人員適正」のヒヤリング結果についても、内容的には、現状は新造船受注が少なく、修繕が主体であることを背景として、社員採用に踏み切れず、臨時の措置で対処しているもので、実態は技術工員が不足していることは否定できない。
(2) 技術工員の不足について
全体的に労働力の高齢化は進んでおり、地域柄若年層の労働力確保については一層難しくなってきている。
技術工員の確保は要望の高い順にみると、鉄工要員、溶接工要員、造機要員、クレーン運転士であり、作業工程上短期的に人手不足を痛感されるのは、仕上工、溶接工、塗装工、配管工、機関修理工となっている。