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g1はg0よりも25%小さく、アスペクト比が高い。s0の88%のサイズとなる。

g0、g1とも、通常のタイプのジェネカーではなく、特にダウンウインド向きと思われる形状にデザインした。

各セールはm1と組み合わせた。そのため、エリアの比はm1+s0を100%とすればm1+g0は109%、m1+g1は92%となる。

なお、J寸法は197mm(実艇3.15m)、スピンポール長さは213mm(実艇3.4m)、バウポール長さは78mm(実艇1.25m)である。模型はスイングバックではなくインラインのスプレッダーにしたため、実艇換算で0.2m、J寸法を長くしてある。

2) s0に対するg0

g0が推力Fxにおいて優れているのは迎角100度以下の範囲であり、120度から150度までの範囲では、s0よりも6ないし7%劣る。

セール面積で無次元化すると、エリアが大きい分、推力係数Cxは低い。

g0は迎角150度では安定してはらみ難かった。

しかし、ジェネカーでありながら、迎角140度を超えるところまで、7%までのFxの落ちで展開できるというのは、十分に納得できる性能といえる。

セールモデル化をFig.35に示す。Fig.36−40に示したシミュレーション計算結果によれば、最適ダウンウインド状態の真風向TWAは、s0と2、3度しか変わらず、視風向AWAも5度程度小さくなるという結果が得られている。 一方、これはIMS VPPの計算結果とは大きな相違があるが、その理由のひとつとして、本実験で使ったジェネカーが、従来の常識とは異なるコンセプトで設計されていることが挙げられる。風下へのVMG(マイナスで表示される)も、IMS VPPが最大11%まで減少しているのに対し、2%の落ちで済んでいる。この差は相当に大きいが、推力差の7%とハルの抵抗曲線を考え合わせれば、2%の性能差はそれほど的外れではないとも思える。むしろ、IMS VPPの計算結果の方に疑問が残るわけであり、この点については、従来のコンセプトのジェネカーを風洞実験することによって明らかになると思われ、今後の課題といえる。

3) g0に対するg1

g1は、迎角が100度から140度の範囲で、g0よりもFxがさらに6ないし7%程度劣る。

しかし、無次元化した推力係数Cxを見ると必ずしも性能の悪いセールとはいえないことがわかる(Fig.34)。したがって、g0に対して25%面積が小さいというメリットは十分にありそうである。

ただし、150度、160度でFx、Cxはかなり落ちるものの、g0と違い、迎角が150度を超えても展開することができ、160度程度でやっと不安定になる。160度でのデータは信頼度が低い。

 

 

 

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