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6-4. 握力とロープを引く力及びウィンチを回す力の関係を図・6-4.1〜6-4.5に示す。

セールを操作するためにはロープやウィンチハンドルを掴むことが最も基本の動作であることから、握力とロープを引く力及びウィンチを回す力の関係を図示したものである。

 

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図・6-4.1には、障害者の握力の左右平均値とロープを引く力との関係を、図・6-4.2には、四肢健常者(以下、健常者。)の握力の左右平均値とロープを引く力との関係を示した。健常者の結果から握力とロープを引く力との間にはある程度の相関が認められることがわかるが、障害者の測定結果と比較すると、両者の間には10ポイントほどの差があり、このことから障害者の有する障害の性格によっては握力よりも足で踏ん張ったり、体幹を保持したりすることの方がロープを引くためにはより重要な要素となるのではないかと推測される。

 

図・6-4.3、図・6-4.4には、障害者並びに健常者の握力の左右平均値と1st Speedでウィンチを回す力との関係を、図・6-4.5には障害者の握力の左右平均値と2nd Speedでウィンチを回す力との関係を示した。これらより、健常者については握力とウィンチを回す力との間にある程度の相関は認められるが、障害者についてはそれらの間に顕著な相関は認められない。このことは、ウィンチと椅子との位置関係が影響しているのではないかと推測される。(測定はウィンチと椅子との位置関係を固定して行ったため、障害の性格及び被験者の体格により力の出し方に影響が現れたものと思われる。)

 

 

 

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