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具体的に測定可能なのは、ロープを引くための筋力、ウィンチを回す際の筋力及び一定の負荷をかけた状態で一定の長さのロープを引く持久力である。

筋力測定装置は、前方よりマスト取付部、張力測定器取付部、ウィンチ取付部並びに椅子取付部より構成される。

マスト取付部には約3.5mのマストを取付け、テークルを利用してロープを10m以上引くことができるようにし、さらにロープの先端に重りを吊り下げることにより、持久力の測定を予定した。

 

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写真・4

 

張力測定器取付部には張力測定器を取付け、その一端にロープを固定してロープを手で直接引くことにより実際の筋力を測定するものとした。

ウィンチ取付部にはウィンチを取付け、張力測定器の一端に固定されたロープをウィンチに巻きつけてウィンチハンドルを回すことにより、ウィンチを回す際の筋力を測定するものとした。

張力測定器取付部、ウィンチ取付部並びに椅子取付部は、1本のパイプに溶接されて一体構造となっており、このパイプを台座に載せて回転可能なものとしている。(ヨットのヒール(傾き)を作出することを意図したものである。)

張力測定器取付部及びウィンチ取付部の高さは可変であり、また、椅子取付部は横方向への椅子の移動が可能となっている。(ウィンチの高さ調整と椅子の横方向への移動によって、被検者とウィンチの位置の調節を可能とするものである。)

椅子には、シートベルトを取付けて被験者の体幹を固定可能なものとしている。

 

5. 筋力測定

測定項目として握力、ロープを引くための筋力、ウィンチを回す際の筋力及び一定の負荷をかけた状態で一定の長さのロープを引く持久力の測定を考えた。

握力の検力には、竹井機器工業製握力計グリップA(検力範囲:1〜100Kg、最低検力単位:0.5Kg)(検査合格品)を使用した。

ロープを引くための筋力及びウィンチを回す際の筋力の検力には、竹井機器工業製背筋計バックA(検力範囲:1〜300Kg、最低検力単位:1Kg)(検査合格品)を使用した。

また、ウィンチには、Lewmar社製 40STを使用し、ウィンチハンドルには、Lewmar社製の長さ8インチのものを使用した。

一定の負荷をかけた状態で一定の長さのロープを引く持久力の測定には、一定の負荷をかけるために1〜60Kgまでの範囲の重りを1Kg単位で吊り下げられるようにし、また、約10mの長さのロープを用意した。

実際の測定は、1]左右それぞれの手の握力[写真・5-1]、2]両手でロープを引く力[写真・5-2]、3]ウィンチハンドルでウィンチを回す力[写真・5-3]を測定した。

 

 

 

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