社会参加システム推進グループ
警察学校にも広がるボランティア活動
地域のふれあい活動を学校や企業、団体などに広める活動も社会参加システム推進グループの事業。今回は警察学校に対する取り組みと活動状況をお知らせします。
全国の警察本部では、一連の不祥事の汚名払拭と、警察に対する信頼回復に組織を挙げて取り組んでいる。特に第一線の警察職員は、組織に誇りと愛情を持ちながら、「国民のための警察」の確立に努力している。
この大きな動きと流れの余波なのだろうか、社会参加システム推進グループに、このところ、ボランティアについての「出前研究会(出張講演)」の依頼がよく持ち込まれる。
5月17日には、干葉県警察学校の教養課から講演依頼があり、授業の教養カリキュラムの中で講演した。6月14日には埼玉県警察学校の川島学校長からの依頼で、教官と学生たち315名に、「いま、なぜボランティア」の題で講演した。その中で、「あなたが交番を訪れた車イスの高齢者と笑顔で会話する時に、車イスの知識と体験学習が、きっと役立ちますよ。ぜひ学校内で体験してください」と呼びかけた。打てば響く川島学校長は、地元の大宮市社会福祉協議会から、車イス15台を借用し、取り扱いの指導を受けながら体験学習の時間を持った。その後、約60名が午前と午後に分かれ、2人1組で実地体験のためにJRの土呂駅まで車イスを走らせた。
地元の埼玉新聞ま、社会面トップに写真入りの5段記事で、この体験学習を報道し、夜のNHKテレビ首都圏ニュースでも、この体験学習を放映し、学生たちの声も流してくれた。また30名の学生が、大宮市社会福祉協議会主催の高齢者助け合いボランティアに参加してくれている。
今回の体験学習をもとに、来年度には高齢者施設訪問、養護施設訪問、ボランティア団体が行っている介護や配食に携われるよう、学生のために幅広いメニューを用意したいものだ。
7月12日には、福島県警においても本部内の職員200名に対して「いま、なぜボランティア」という題の出前研究会が開かれた。県警の教養課が毎月発行している「あぶくま」という職員向けの雑誌から、本業の延長線でやっている第一線の警察官のふれあいボランティアの実例を紹介しながら講演をした。その日に発売された読売ウィークリーの表紙には、堀田理事長がドカンと載っていたので、それを見せながら自己紹介。好都合な日だった。
新東京国際空港警備隊からも10月17日、18日、19日の3日間、隊員1200人に講演してほしいと連絡をいただき、詳細を詰めている。交替勤務の夜勤が済んだ隊員約400人に、午前中3日間連続で、計1200人に講演することになる。この空港警備隊ま、全国の警察本部の機動隊から選抜された若い隊員たちで構成され、1年から2年勤務する。沖縄のサミットの警備にも出向し、現地で非番の時にボランティアを体験した隊員がいるらしいとの情報もあり、今回の講演のテーマは「空飛ぶボランティア」としたい。空港警備隊の勤務は苦しいけれど、非番の時にぜひ高齢者福祉ボランティアを体験してほしい、とお願いするつもりだ。ボランティアを体験した若い隊員たちが、任期満了になって各地の警察本部に復帰し、それぞれの場所でボランティア活動の核になってもらえたら…。そう願っての講演を考えている。
(中村延夫)