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地域協同推進プロジェクト

介護保険の時代 「地域」がキーワード!

―新潟市福祉公社「まごころヘルプ室」の取り組み―

 

■「車の両輪」そろってますか?

この4月、桜前線の話題は毎年のことですが、今年はやはり介護保険の実施が大きなニュースです。全国3200余りの自治体が保険者になる新しい社会保険制度のスタートです。そこで改めて確かめておきたいのが、自分の住んでいる所に「車の両輪」が備わっているかどうかです。身体は保険で、心はボランティアで支える仕組み、この「車の両輪」があなたの地域ではそろっているでしょうか?

このような視点から今回ま1年ぶりに訪れた新潟での地域協同の例を参考にご報告します。

 

■「厚みのある福祉」

「心のケアが福祉の厚みに」これまJA北越後による「地域のお茶の間」を紹介する新潟読売の記事見出しです。その通り、介護保険の周辺、特に心を支える仕組みがあって初めて厚みのある福祉といえるでしょう。

この一年間に新潟ではこの厚みがずいぶん増してきたことを今回実感しました。

 

■JAの「お茶の間」は河田さん発

もう一方の「地域の茶の間」は、県内各地に広がっている新潟市福祉公社「まごころヘルプ室」の河田珪子さんが新潟市内で始めたもの。

前述の記事のJAの例ま新発田市のある集落の公会堂で行われています。

ここに誰もが気軽こ立ち寄ってのんびり茶飲み話ができる「地域のお茶の間」ができたのは、元はといえばまごころヘルプ室の河田さんとJA新潟中央会の長谷部さんとの交流からでした。

 

■地域協同は協同の積み重ね

「まごころヘルプ室」の地域との交流はまさに「人、環境、積み重ね」。

郵便局と連携して局を拠点にボランティアによる配食サービスを展開する、社会福祉協議会と連携して研修を実施する、そしてJAと連携して地域の「茶の間」や「助け合い活動」を広げる、この精力的な取り組みが実を結んでいるのは河田さんの人柄。そこに、少子高齢化、介護の社会化という環境。そして10年こわたるまごころヘルプの取り組みの積み重ね。冬期、積雪で閉じこもりがちな新潟の人たちにとって、地域各組織の連携で実現するこのようなサービスま何物にも代えがたいものでしょう。

桜前線同様、全国各地で地域協同の花が開くのが待ち遠しいこの頃です。

(丹直秀)

 

ふれあい社会づくりグループ

 

ふれあいづくりの仕掛け、さまざまに

―ふれあいシール、地域通貨の動き―

 

1998年から2年間かけて行われたふれあいシールパイロットモデル事業も3月で一応終了。今後はこれまでの活動に対する課題や問題点の整理・分析を行いながら、報告書にまとめる予定です。

一方、さまざまな地域で話題になりはじめているのが地域通貨。ふれあいのある豊かな地域づくりは、どの地域でもテーマになりつつあるようです。

愛媛県の地域通貨検討委員会では、ふれあい切符やタイムダラー、レッツなども含めたさまざまな地域通貨のあり方を研究し、事例を通じた手引書を作成中です。

 

■第4回シール研究会開催―2年間のパイロット事業もいよいよ大詰め

2月14日、当財団にて第4回シール研究会が開催され、7月から12月までのシール回収状況と集計結果などについての報告が行われました。

6つのシール運用団体から報告があり、参加団体ま全国で226団体という結果でした。

昨年度よりかなり多くの方々が、ふれあいボランティアシールの活動に参加し、参加人数は延べ3万6462人にのぼりました。

次回は3月9日に開催されることとなっており、ここでは2年間のパイロット事業こおける課題や問題点などについて議論し、報告書の作成につなげていく方向としました。

全国のたくさんのボランティアさんの輪を生んだふれあいシール。パイロット事業は終了しますが、運用団体が今後どのような活動をするか、2001年のボランティア国際年との関連でどのような活動をするかが、焦点となるところです。

 

■愛媛県からの委託事業第3回地域通貨検討委員会を松山で開催

2月16日に愛媛県社会福祉協議会にて第3回地域通貨検討委員会を開催しました。今回は主に手引書作成について。また、手引書を広い意味での参考として3月29日に行う予定の指導者養成について話し合いました。手引書は国内外の地域通貨の取り組み、実例紹介を掲載するため、120〜150頁程度の方向としました(発行は3月20日前後を完成目標)。また指導者養成のため、いくつかの事例を盛り込んだ30分程度のビデオを内部資料として用意したいと考えています。さて、4か月弱の短期決戦の成果はいかに…?

(高田信子)

 

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ふれあいシールは3種類。

今後もボランティアさんの輪の広がりに期待。

 

 

 

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