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心と教育 学校の新しいかたち

地域と結び付いて

〜花鉢プレゼント・ふれあい昼食会〜

東京都中野区立北中野中学校

(取材・文/蜂屋隆子)

 

緑豊かな中野区立北中野中学校では、15年前に「一人暮らしのお年寄りに何かプレゼントしたい」という生徒の声を生徒会が取り上げて花鉢プレゼントが始まった。それを受けて翌年に保護者から「ぜひ、私たちも何か役に立ちたい」と申し出があって、「ふれあい昼食会」がスタートした。どちらも自然な形で伝統となり少しずつ形を変えて定着していると生徒会担当の上路珠実先生は言われる。

花は3年ぐらい前までは、買ったものを敬老の日に配っていたが、現在は7月に花の苗を買い、花屋さんと近くの農家の方の協力を得ながら園芸部を中心に育てて配布している。

昨年は9月14日、まだ残暑が厳しい時だった。生徒会の呼びかけで179名の生徒が参加して、175名のお年寄りに花鉢をプレゼントした。その時に、生徒会からの手紙と「ふれあい昼食会」の招待状を持参する。生徒は希望の地域で15班に分かれ、民生委員の待つ集合場所に担当の先生と共に行く。だいたい1人1鉢ずつ配るので順番を決め、民生委員の方の案内で一軒一軒回って行く。「今年の花はメランポジウムです。私たちが育てました。どうぞお元気で」など言葉を添える。お年寄りの方も心待ちにし、とても喜んで、「ありがとうありがとう」と涙を流さんばかりに受け取ってくださる。

 

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(上)集合場所から各地域に向かって出発!

(左)花鉢を、言葉を添えてプレゼント。

 

 

 

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