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われら地域市民

ラオスの子供たちへ絵本を

キヤノン株式会社

 

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現地の人と交流する宮崎さん(左から2人目)。

 

昨年11月、キヤノン株式会社社会・文化支援室社会貢献推進課長の宮崎康子さんはラオスを訪ねた。同社の社会貢献活動の実情を見るためである。

「子供たちが休み時間のたびに図書室に来るんです。前の休み時間に読んだ本の続きを読みたくてしょっちゅう来るんですね。日本では考えられないほど本が不足していて、本が届くのを楽しみにしています。改めて、文字や本から得る感動や喜びは大切なことだと思いました。教育の原点ですね」と現地での感動がまだ冷めやらぬようだ。

同社の企業理念は「共生」、企業も「良き市民」の一員として社会と共に生きることによって健全な発展ができるとの考えだ。「21世紀を担う子供たちの教育支援」を目標の一つとして掲げた社会・文化支援室の宮崎さん、あるきっかけから会社近くにあるラオスのNGO「ラオスの子どもに絵本を送る会」を訪れた。ラオスには小学校が8162校、中学校は712校、中高等学校(一貫教育)は162校あるものの、大学は1校、国立図書館は1つと教育的にはまだまだ未整備、先生も本で勉強するチャンスが少ない国という情報を得た。

1997年、NGOとの提携により決定されたラオスの子供たちへ絵本を送る活動が開始された。まずは基金集めとして「チャリティ・ブック・フェア」を社内で開催し、全国のキヤノングループの事業所・関係会社に声を掛け、読み終えた本やCDを集め社員に買ってもらった。本は毎年7000〜1万冊も集まり、収益金(マッチングギフトとして会社から同額を加算)は4年間で約300万円になった。

 

 

 

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