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この役割をこなせるのは今のところ黒澤淑子さんと森妙子さんという二人のアドバイザーだけだという。生前契約アドバイザーはNPO決済機構に登録され、利用者とNPO決済機構との間で締結する「遺言執行委託契約」ではNPO決済機構を代理するという役割も担っている。

黒澤さんは「生前契約は特殊な契約。言わば、生きている間に死後の買物をするようなものですから。それだけに十分に理解した上で利用していただくよう説明に時間をかけています」と話す。東京では毎月一〇日と二〇日に「説明・相談会」を開くほか、「私のおぼえがき講座」も定期的に開催、ここでは幼い日から現在までの折々の思い出や出会った人々を回想し、どんな形で人生の幕を下ろしたいかをイメージしていく。この講座は生前契約アドバイザーが講師を務め、ここで描いたイメージを次の「個人面談」で企画書にまとめていく。

企面書とそれに要する見積もりができれば、準備しておく資金はだいたいわかる。必要額はもちろん契約内容によって異なるが、「一連の死後事務ということなら、五〇万円から一〇〇万円というところ」(黒澤さん)だそうだ。

 

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NPO決済機構に利用申し込みすると登録番号がもらえる。指定した登録事業者からはカードの発行も。

 

受け皿の質と確保をどうするか

まずはアドバイザーと事業者の育成が鍵

 

さて、NPO決済機構がスタートして一年余りが過ぎた。

 

 

 

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